
ハクトウワシ
英名:Bald Eagle
学名:Haliaeetus leucocephalus
分類:タカ目タカ科ウミワシ属
学名にある Haliaeetus は古代ギリシャ語で「海のワシ」を、leucocephalus は「白い頭」を意味し、その名の通りの特徴を表しています。
ハクトウワシの基本情報(簡易にする)
大きさ
体長70-102cm、翼開長180-230cm。メスはオスよりも約25%大きく、体重も重くなります。

ハクトウワシの特徴・生態

特徴
成鳥は、濃い茶色の胴体に、白く明瞭な頭部と尾、そして黄色く鋭い嘴と足を持ちます。この象徴的な姿になるまでには約5年を要し、若鳥の頃は全体がまだらな褐色で、オジロワシやイヌワシの若鳥と見間違えられることもあります。
主に海岸、河川、湖沼など、豊富な魚類が生息する水辺の近くに生息します。営巣のためには、周囲を見渡せる大きく頑丈な樹木が不可欠です。冬には、水面が凍結しない南の地域へ移動することがあります。
生態
食性
食性の大部分を魚類が占めます。サケ、マス、ニシンなどを主な獲物とします。しかし、非常に機会選択的な捕食者でもあり、水鳥、小型哺乳類(ウサギ、リスなど)、カメ、そして動物の死骸(腐肉)も食べます。

狩り
水面近くを飛翔し、獲物を見つけると鋭い爪で素早く掴み取ります。また、ミサゴなどの他の鳥が捕らえた獲物を、空中での追跡によって執拗に奪い取る行動も頻繁に見られます。彼らが作る巣は鳥類の中でも最大級で、長年同じ巣を修復・増築し続けるため、直径2.5メートル、重さ1トンを超えることもあります。
もっと知りたいQ&A
IUCNレッドリストでは LC (低懸念) に分類されています。ハヤブサと同様、20世紀半ばに農薬DDTの影響で個体数が激減し、アメリカ合衆国では絶滅の危機に瀕しました。しかし、1972年のDDT使用禁止、法的な保護、そして献身的な保全活動により、その個体数は目覚ましく回復しました。この成功は、アメリカにおける野生生物保護の象徴的な事例とされています。
