
エゾフクロウ
英名:Hokkaido Owl
学名:Strix uralensis japonica
分類:フクロウ目フクロウ科
ユーラシア大陸に広く分布するフクロウ (Strix uralensis) の、北海道に生息する亜種です。本州の亜種ホンドフクロウと比べて、白っぽいことが最大の特徴です。
目次
エゾフクロウの特徴
どれくらいの大きさ?体の特徴は?
体長約50cm、翼開長約110cm。
全体的に白っぽい羽毛に、褐色の縦斑があります。特に冬羽は白さが際立ち、雪景色に溶け込みます。顔盤は白く、目は黒く大きい。羽角(うかく)はありません。メンフクロウなどと同じように、左右非対称の耳とパラボラアンテナの役割をする顔盤で、暗闇の中でも周囲の音を正確に検知します。
どこに生息している?
日本の北海道にのみ、留鳥として生息します。
平地から山地の森林に生息し、特に広葉樹と針葉樹が混じった混交林を好みます。繁殖や休息には、樹洞(うろ)が不可欠です。
何を食べて生きているの?狩りの方法は?
主にネズミ類を捕食しますが、鳥類、両生類、昆虫なども食べます。
主に夜行性で、音を立てずに獲物に接近し、鋭い爪で捕らえます。優れた聴覚を持ち、雪の下にいるネズミの位置を特定して捕らえることもできます。
絶滅は危惧されている?
種フクロウとしてはLC(低懸念)ですが、亜種エゾフクロウは、生息地である北海道の森林伐採による営巣木の減少や、交通事故などが脅威となっています。
IUCNレッドリストとは?
IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。
IUCNレッドリストの分類
分類(英名) | 分類(和名) | 説明 |
---|---|---|
EX (Extinct) | 絶滅 | 最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種 |
EW (Extinct in the Wild) | 野生絶滅 | 本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種 |
CR (Critically Endangered) | 深刻な危機 | ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種 |
EN (Endangered) | 危機 | CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種 |
VU (Vulnerable) | 危急 | 野生での絶滅の危険性が増大している種 |
NT (Near Threatened) | 準絶滅危惧 | 現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種 |
LC (Least Concern) | 低懸念 | 絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種 |
DD (Data Deficient) | 情報不足 | 評価するための情報が不足している種 |
NE (Not Evaluated) | 未評価 | まだ評価が行われていない種 |