
イヌワシ
英名:Golden Eagle
学名:Aquila chrysaetos
分類:タカ目タカ科イヌワシ属
英名の “Golden Eagle” は成鳥の後頭部から首にかけての羽毛が美しい金色に見えることに由来します。
その雄大で力強い姿から、古くから「鳥の王」として、強さ、勇気、神聖さの象徴とされてきました。多くの国の国章や軍隊のシンボルに用いられています。また、中央アジアの遊牧民の間では、伝統的にイヌワシを用いた鷹狩りが行われています。
イヌワシの特徴
どれくらいの大きさ?体の特徴は?
体長66-102cm、翼開長180-234cm。ワシ類の中では大型で、力強い体つきをしています。メスがオスよりも大きい傾向にあります。
全体的に濃い褐色の羽毛で覆われていますが、後頭部から首筋にかけて金色の羽毛が生えており、これが名前の由来となっています。若鳥は翼の内側に「翼窓」と呼ばれる明瞭な白い斑紋があり、尾の付け根も白いですが、これらの特徴は成長と共に失われます。非常に鋭い嘴と、獲物を捕らえるための強力な脚と爪を持っています。
どこに生息している?
北半球のユーラシア大陸、北アメリカ大陸、北アフリカの一部に広く分布します。
人里離れた山岳地帯や、開けた草原、丘陵地などを好みます。広大な狩りのための行動圏(テリトリー)と、断崖絶壁や大きな樹木といった営巣場所の両方が必要不可欠です。日本では、主に本州から北海道の山岳地帯に生息しています。
何を食べて生きているの?狩りの方法は?
非常に強力な捕食者で、ノウサギ、キツネ、シカの幼獣などの哺乳類から、ヤマドリやライチョウなどの鳥類、ヘビやカメなどの爬虫類まで、多様な獲物を捕らえます。時には自分より大きな獲物を襲うこともあります。
優れた視力で上空から獲物を探し、高速で急降下して捕らえます。ペアで協力して狩りを行うことも知られており、一方が獲物の注意を引きつけ、もう一方が背後から襲うといった戦術も用います。
絶滅は危惧されている?
IUCNレッドリストでは LC (低懸念) に分類されています。
世界的に見れば個体数は安定していますが、日本では森林伐採による生息地の減少や、狩猟対象となる獲物の減少などにより、絶滅危惧IB類(EN)に指定されており、保護の対象となっています。
IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。
IUCNレッドリストの分類
分類(英名) | 分類(和名) | 説明 |
---|---|---|
EX (Extinct) | 絶滅 | 最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種 |
EW (Extinct in the Wild) | 野生絶滅 | 本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種 |
CR (Critically Endangered) | 深刻な危機 | ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種 |
EN (Endangered) | 危機 | CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種 |
VU (Vulnerable) | 危急 | 野生での絶滅の危険性が増大している種 |
NT (Near Threatened) | 準絶滅危惧 | 現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種 |
LC (Least Concern) | 低懸念 | 絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種 |
DD (Data Deficient) | 情報不足 | 評価するための情報が不足している種 |
NE (Not Evaluated) | 未評価 | まだ評価が行われていない種 |