
コウモリダカ
英名:Bat Hawk
学名:Macheiramphus alcinus
分類:タカ目タカ科コウモリダカ属
その名の通り、コウモリ(Bat)の捕食に特化した、極めてユニークな猛禽類です。本種のみでコウモリダカ属 Macheiramphus を形成します。
コウモリダカの特徴
どれくらいの大きさ?体の特徴は?
体長約45cm。翼は非常に長く、尖っています。
全体的にすすのような黒褐色で、喉と胸に白い斑点がある個体もいます。目は非常に大きく、黄色で、暗がりでの視力に優れています。最大の特徴は口が非常に大きく裂けている(口角が広い)ことで、これにより獲物を丸呑みにしやすくなっています。
どこに生息している?
コウモリダカの生息域は非常に限られており、サハラ以南のアフリカ、マダガスカル、マレー半島(スマトラ島、ボルネオ島、スラウェシ島を含む)、そしてニューギニアに生息しています。
森林地帯やサバンナに生息しますが、その存在は餌となるコウモリや、アマツバメなどのねぐらとなる洞窟や建物の近くに強く依存しています。
何を食べて生きているの?狩りの方法は?
食事の大部分をコウモリと、アマツバメやツバメといった小型の鳥類が占めるスペシャリストです。
活動時間が日の出と日没のわずかな時間帯(薄明薄暮時)に限られているのが特徴で、夕暮れ時、コウモリなどがねぐらから一斉に飛び立つ瞬間を狙い、驚異的なスピードと機動性で空中で獲物を捕らえます。そして、捕らえた獲物を、飛行しながら丸呑みにしてしまいます。コウモリがねぐらから出るわずか30分程度の時間しかチャンスはありませんが、1日の必要食事量を満たせる量の獲物を捕獲できます。
絶滅は危惧されている?
IUCNレッドリストでは LC (低懸念) に分類されています。
分布域は広いですが、その特殊な生態ゆえに、観察されることは稀です。餌となるコウモリの生息地(洞窟など)の破壊や、殺虫剤の使用が、地域的な個体数に影響を与える可能性があります。薄明の空で繰り広げられるその電光石火の狩りは、最も観察が難しい猛禽類の生態の一つとされています。
IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。
IUCNレッドリストの分類
分類(英名) | 分類(和名) | 説明 |
---|---|---|
EX (Extinct) | 絶滅 | 最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種 |
EW (Extinct in the Wild) | 野生絶滅 | 本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種 |
CR (Critically Endangered) | 深刻な危機 | ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種 |
EN (Endangered) | 危機 | CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種 |
VU (Vulnerable) | 危急 | 野生での絶滅の危険性が増大している種 |
NT (Near Threatened) | 準絶滅危惧 | 現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種 |
LC (Least Concern) | 低懸念 | 絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種 |
DD (Data Deficient) | 情報不足 | 評価するための情報が不足している種 |
NE (Not Evaluated) | 未評価 | まだ評価が行われていない種 |