ダルマワシが絶滅危惧種になった3つの理由

かつてはアフリカのサバンナの上空を、曲芸師のように舞う姿が当たり前のように見られた「ダルマワシ」。そのカラフルで印象的な姿は、アフリカの大自然を象徴する鳥の一つでした。しかし、その数はここ数十年で急速に減少し、今、彼らは「絶滅危惧種」として指定されています。

なぜ絶滅の危機に瀕してしまったのでしょうか?
この記事では、ダルマワシの身に起きている深刻な現実と、その背景にある3つの大きな原因を解説していきます。

そもそもダルマワシとはどんな鳥?という方は先にこちらから読むのがおすすめです。

目次

ダルマワシの現状

まず知っておくべきは、ダルマワシが置かれている厳しい現状です。 2020年、IUCN(国際自然保護連合)は、ダルマワシのレッドリスト評価を、それまでの「準絶滅危惧(NT)」から、一気に2段階引き上げ、「絶滅危惧種(EN – Endangered)」としました。

これは、個体数の減少ペースが予想以上に速く、このままでは野生での絶滅が現実的な脅威となっていることを意味します。

絶滅危機の原因①:毒餌による二次被害

ダルマワシの個体数減少における、最大の原因が「中毒死」です。
これは、ダルマワシを直接狙ったものではなく、他の動物を駆除するために仕掛けられた毒が、意図せず彼らの命を奪っています。

家畜を襲う肉食獣の駆除のための毒餌

ライオンやハイエナなどから家畜を守るため、一部の牧場主が家畜の死骸に強力な農薬や毒物を仕込むことがあります。腐肉食者であるダルマワシが、その毒の入った死骸を食べてしまうことで、中毒死してしまうのです。

密猟者が利用する毒

象牙などを狙う密猟者は、銃声でレンジャーに見つかるのを避けるため、毒矢を使ったり、水場に毒を撒いたりすることがあります。また、彼らは上空を旋回するハゲワシやダルマワシが、像などの死骸に群がることで自分たちの密漁活動の目印になることを嫌い、意図的に死骸に毒を仕込んで、彼らを「口封じ」のために殺すことさえあります。

絶滅危機の原因2:生息地の喪失と劣化

ダルマワシは、広大なサバンナや開けた森林地帯を必要とします。しかし、アフリカの人口増加に伴う農地の拡大や、過放牧、そして都市開発によって、彼らが狩りをする場所や、巣を作るための静かな環境が急速に失われています。

特に、営巣に適した大きな木が伐採されることは、彼らの繁殖を直接的に妨げる大きな要因となっています。

絶滅危機の原因3:人間との衝突

人間のインフラが拡大するにつれて、ダルマワシが事故に遭うケースも増えています。

電線との衝突・感電死

サバンナに張り巡らされた送電線は、低空を飛行する彼らにとって見えにくい障害物であり、衝突事故が多発しています。

風力発電タービンとの衝突

クリーンなエネルギーとして期待される風力発電ですが、そのブレードは高速で飛行する鳥類にとって、非常に危険な存在となることがあります。

まとめ

これらの背景から、ダルマワシは急速に個体数を減らしています。アフリカ全土で活動する国際的な自然保護団体や、各国の政府機関などが連携して保護活動を行っており、各国で一丸となって個体数増加を目指しています。

出典

目次