鳥類の中でもひときわ大きく、嘴や鉤爪の鋭さが際立つ猛禽類。そんな猛禽類の中でも、鳩と同じくらいの大きさの種から、翼開長3メートル級の種まで多種多様に存在します。
本記事では、サイズの大きい猛禽類に焦点を当てた、題して「世界最大の猛禽類ランキングTOP5」を紹介していきたいと思います。
なお、ランキングの数値(大きさや体重)は、各種の最大値や平均的な範囲を示したものです。実際のサイズは、性別や個体によって異なるので、厳密なものではなくあくまで目安としてお楽しみください。
ランキングの前に:大きさを測る3つの基準
本記事では以下の3つの基準を総合的に評価してランキングを作成しました。
- 体長:嘴の先から尾の先までの長さ。
- 翼開長:翼を広げた時の端から端までの長さ。
- 体重:重さ。
それではこれからランキングが始まります。まずは第5位から!
第5位:フィリピンワシ

- 体長:86 – 102cm
- 翼開長:184 – 220cm
- 体重:4.0 – 8.0kg
第5位は、フィリピンの国鳥にして、世界で最も絶滅が危惧されるワシの一つ、フィリピンワシです。フィリピン諸島の熱帯雨林に生息しています。体長は1mを超え、猛禽類の中でもトップクラスの大きさを誇ります。
最大の特徴は、興奮すると大きく逆立つ、ライオンのたてがみのような美しい冠羽です。サルを専門に狩ることで知られていますが、その生息地である豊かな森が急速に失われており、現在その存続は危機的な状況にあります。
第4位:オウギワシ

- 体長:89 – 105cm
- 翼開長:176 – 224cm
- 体重:5.0 – 9.0kg
第4位にランクインしたのは、南米の熱帯雨林に生息する「オウギワシ」です。大きさに関してまだ上がいますが、力の強さ、特に握力は猛禽類の中でも最強クラス。ハイイログマの爪に匹敵するとまで言われる巨大な鉤爪(タロン)で、主食であるサルやナマケモノを、木の枝ごと引き剥がしてしまいます。
まさに力こそパワーを体現するオウギワシですが、その割に翼がそこまで長くないのには理由があります。生息地であり獲物が密集するジャングルの林間部を俊敏に、そして静かに移動するために適応したのが今の姿と言われています。
第3位:オオワシ

- 体長:85 – 105cm
- 翼開長:195 – 250cm
- 体重:6.0 – 9.5kg
第3位には、冬の日本の空でも見られる、オオワシがランクイン。翼開長、体重ともにワシ・タカ類の中では世界最大級です。特に、平均体重では現生の猛禽類の中で最も重いと言われ、そのずんぐりとして力強い体格は、流氷が浮かぶ極寒の海で生き抜くための重装備になります。鮮やかなオレンジ色の、巨大で分厚い嘴は、凍った魚を砕くことさえ可能にします。
第2位:クロハゲワシ

- 体長:約100 – 110cm
- 翼開長:250 – 290cm
- 体重:7 – 14kg
いよいよ翼を広げると3m級になる巨鳥の登場です。ユーラシア大陸に広く分布する、ハゲワシ類の中で最大級の種、クロハゲワシが第2位です。非常に大きな翼は長いだけでなく幅広で、上昇気流を利用して長時間羽ばたかずに空を滑空することができます。
ハゲワシ類は死肉を食べることで知られていますが、クロハゲワシはハゲワシ類の中でもトップクラスの力強い嘴を持ち、他のハゲワシでは歯が立たない、動物の死骸の硬い皮膚や腱を引き裂くことができます。
第1位:アンデスコンドル

- 体長:100 – 130cm
- 翼開長:270 – 320cm
- 体重:8 – 15kg
栄光の第1位に輝いたのは、南米アンデス山脈に生息するアンデスコンドルです。 翼開長においては、全ての猛禽類の中で文句なしのチャンピオン。その大きさは、両手を広げた大人2人分にも匹敵します。体重も最大15kgと、ワシ類を遥かに凌駕します。
彼らはその巨大な翼を巧みに操り、ほとんど羽ばたくことなく、アンデス山脈の複雑な上昇気流に乗って、一日中空を舞い続けることができます。古代インカ文明では、天界と地上を結ぶ神の使いとして崇拝され、ペルー、ボリビア、チリ、コロンビアなどの国々では国鳥として指定されています。
まとめ
今回は、世界の巨大猛禽類TOP5をご紹介しました。猛禽類を大きい順に見ていくとワシとコンドルが大多数を占めますね。現実で彼らと出会ったら、日頃日常生活で目にする鳥と大きさが違い過ぎて感覚がおかしくなりそうです。そんな巨鳥たちも、我々と同じこの世に存在していることはやはりロマンがあります。
大きさの基準によって順位は変動するため、このランキングには入らなかったものの匹敵する大きさの猛禽類も存在します。ランキングに入ってきそうな猛禽類が他にいないか、ぜひ他のページも見ていってください。
出典
※各猛禽類のプロフィールページの出典を参照