ヒメコンドル

ヒメコンドル

英名:Turkey Vulture

学名:Cathartes aura

分類:コンドル目コンドル科コンドル属

南北アメリカ大陸で最も広く分布し、最も一般的に見られるコンドルの仲間です。英名の “Turkey Vulture” は、羽毛のない赤い頭部が、野生の七面鳥(Wild Turkey)の頭に似ていることに由来します。

目次

ヒメコンドルの特徴

どれくらいの大きさ?体の特徴は?

体長62-81cm、翼開長160-183cm。

全体的に濃い褐色の羽毛をしています。成鳥の頭部は羽毛がなく、赤い皮膚が裸出しています。飛行中の姿に特徴があり、翼を浅いV字型に保ちながら、不安定に左右に揺れるようにして飛びます。

どこに生息している?

カナダ南部から南米大陸南端まで、南北アメリカ大陸に非常に広く分布します。

森林、砂漠、草原、農耕地まで、あらゆる環境に適応できますが、主に開けた土地と森林が混在する場所を好みます。

何を食べて生きているの?狩りの方法は?

専門的なスカベンジャー(腐肉食者)で、主に中小型の動物の死骸を食べます。

鳥類の中では極めて珍しい、非常に優れた嗅覚を持っています。 他の多くのコンドルが視覚に頼って餌を探すのに対し、ヒメコンドルは腐肉が発するメルカプタンというガスの匂いを、上空からでも嗅ぎ分けることができます。この能力により、森林の下に隠れて見えない死骸も見つけ出すことができます。このため、トキイロコンドルのような他のコンドルは、ヒメコンドルが死骸を見つけるのを追跡して餌場にたどり着くことがあります。

絶滅は危惧されている?

IUCNレッドリストでは LC (低懸念) に分類されています。

その高い適応能力と、他の種が利用できない餌資源を発見できる能力により、非常に繁栄している種です。自然界の「掃除屋」として、死骸を処理し、病気の蔓延を防ぐという、生態系において非常に重要な役割を果たしています。路上で交通事故にあった動物の死骸をよく食べているため、自動車との衝突が個体に対する脅威となることがあります。

IUCNレッドリストとは?

IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。

IUCNレッドリストの分類
分類(英名)分類(和名)説明
EX (Extinct)絶滅最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種
EW (Extinct in the Wild)野生絶滅本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種
CR (Critically Endangered)深刻な危機ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種
EN (Endangered)危機CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種
VU (Vulnerable)危急野生での絶滅の危険性が増大している種
NT (Near Threatened)準絶滅危惧現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種
LC (Least Concern)低懸念絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種
DD (Data Deficient)情報不足評価するための情報が不足している種
NE (Not Evaluated)未評価まだ評価が行われていない種

出典

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