サンショクウミワシ

サンショクウミワシ

英名:African Fish Eagle

学名:Haliaeetus vocifer

分類:タカ目タカ科ウミワシ属

アフリカを代表するウミワシ属の一種です。種小名の vocifer はラテン語で「大声で叫ぶ、騒々しい」を意味し、その非常によく響き渡る鳴き声に由来します。和名の「三色海鷲」は、白・黒(濃褐色)・栗色の3色からなる美しい体を表しています。

目次

サンショクウミワシの特徴

どれくらいの大きさ?体の特徴は?

体長63-75cm、翼開長175-210cm。メスがオスより大きくなります。

アメリカのハクトウワシによく似ていますが、頭部だけでなく、首、胸、背中の一部までが純白です。腹部と翼の付け根は鮮やかな栗色で、翼の大部分は黒いという、美しい3色のコントラストが特徴です。嘴の先端は黒く、根元は黄色です。

どこに生息している?

サハラ砂漠以南のアフリカ大陸に広く分布します。

大きな川、湖、貯水池、河口、海岸など、魚類が豊富に生息する水辺であれば、あらゆる場所で見られます。営巣や休息のため、水辺の近くに大きな木があることが必要です。

何を食べて生きているの?狩りの方法は?

主に魚類を食べますが、カモなどの水鳥、小型の哺乳類、爬虫類(ワニの子供など)、そして動物の死骸も食べます。

水辺を見渡せる高い枝に止まって獲物を探し、水面近くにいる魚を見つけると、急降下して鋭い爪で掴み取ります。ミサゴと同様に、足の裏には滑りやすい魚をがっちり掴むための棘状の突起があります。他の鳥(サギ類やペリカンなど)から獲物を奪い取ることも頻繁に行います。

絶滅は危惧されている?

IUCNレッドリストでは LC (低懸念) に分類されています。

分布域が広く、アフリカの多くの保護区でその姿を見ることができます。しかし、地域によっては、水質汚染、乱獲による魚類の減少、殺虫剤の影響、そして生息地の破壊などが脅威となっています。

IUCNレッドリストとは?

IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。

IUCNレッドリストの分類
分類(英名)分類(和名)説明
EX (Extinct)絶滅最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種
EW (Extinct in the Wild)野生絶滅本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種
CR (Critically Endangered)深刻な危機ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種
EN (Endangered)危機CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種
VU (Vulnerable)危急野生での絶滅の危険性が増大している種
NT (Near Threatened)準絶滅危惧現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種
LC (Least Concern)低懸念絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種
DD (Data Deficient)情報不足評価するための情報が不足している種
NE (Not Evaluated)未評価まだ評価が行われていない種

出典

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