
オオワシ
英名:Steller’s Sea Eagle
学名:Haliaeetus pelagicus
分類:タカ目タカ科ウミワシ属
世界最大級のワシであり、ウミワシ属の仲間です。属名の Haliaeetus は「海のワシ」を意味します。種小名の pelagicus は「外洋の」を意味し、その生態を表しています。
その雄大な姿から、バードウォッチャーや写真家に絶大な人気を誇ります。北海道東部の流氷観光では、本種が主役の一つとなっています。
オオワシの特徴
どれくらいの大きさ?体の特徴は?
体長85-105cm、翼開長195-250cm。非常に大きく、体重は5~9kgにもなり、世界で最も重いワシとされています。
全体的に黒褐色の羽毛で、肩と翼の前面(雨覆)、腰、そして尾羽が純白であることが最大の特徴です。この白と黒のコントラストが非常に美しいです。嘴は巨大で分厚く、鮮やかなオレンジ色をしています。この巨大な嘴は、近縁種のオジロワシと見分ける際の重要なポイントです。
どこに生息している?
主にロシア極東のカムチャツカ半島やオホーツク海沿岸で繁殖し、冬になると越冬のために南下します。主な越冬地は日本の北海道東部・北部で、一部は本州北部にも飛来します。
生息地は名前の通り、海岸線や大きな河川、湖沼の近くに生息します。繁殖期には営巣のための大木がある海岸近くの森林、越冬期には餌となる魚が豊富な流氷のある海域などを好みます。
何を食べて生きているの?狩りの方法は?
主に魚類を食べ、特にスケソウダラやサケ・マス類を好みます。冬の日本では、スケソウダラの漁で出た「アラ」を求めて漁船の周りに集まることもあります。魚以外にも、カモメなどの海鳥や、アザラシの子供などの哺乳類、動物の死骸も食べます。
狩りの方法は、水面近くを飛んで獲物を探したり、見晴らしの良い流氷や木の枝に止まって待ち伏せしたりします。獲物を見つけると、鋭い爪で水面から掴み取ります。オジロワシとしばしば餌場を共有しますが、より体の大きいオオワシが優位に立つことが多いです。
絶滅は危惧されている?
IUCNレッドリストでは VU (危急) に分類されています。日本では絶滅危惧II類(VU)であり、国の天然記念物に指定されています。
生息数が限られており、繁殖地の環境破壊、河川の開発による餌(サケ類)の減少、鉛中毒(エゾシカ猟で使われた鉛弾を体内に取り込むため)などが深刻な脅威となっています。
IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。
IUCNレッドリストの分類
分類(英名) | 分類(和名) | 説明 |
---|---|---|
EX (Extinct) | 絶滅 | 最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種 |
EW (Extinct in the Wild) | 野生絶滅 | 本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種 |
CR (Critically Endangered) | 深刻な危機 | ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種 |
EN (Endangered) | 危機 | CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種 |
VU (Vulnerable) | 危急 | 野生での絶滅の危険性が増大している種 |
NT (Near Threatened) | 準絶滅危惧 | 現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種 |
LC (Least Concern) | 低懸念 | 絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種 |
DD (Data Deficient) | 情報不足 | 評価するための情報が不足している種 |
NE (Not Evaluated) | 未評価 | まだ評価が行われていない種 |