
ワライハヤブサ
英名:Laughing Falcon
学名:Herpetotheres cachinnans
分類:ハヤブサ目ハヤブサ科ワライハヤブサ属
本種のみでワライハヤブサ属 Herpetotheres を形成します。属名はギリシャ語の「爬虫類(herpeton)」と「狩るもの(theres)」を組み合わせたもので、その食性を表しています。種小名の cachinnans はラテン語で「大声で笑う」を意味し、その特徴的な鳴き声に由来します。
ワライハヤブサの特徴
どれくらいの大きさ?体の特徴は?
体長46-56cm、翼開長79-94cm。
頭部と腹部は淡いクリーム色で、背中と翼は濃いチョコレートブラウンです。最大の特徴は、目の周りから後頭部にかけて続く、幅の広い黒い「仮面」模様です。この模様が、その姿を非常に印象的なものにしています。
鳴き声が非常にユニークで、名前の由来にもなっています。特に明け方や夕暮れ時に、人間が高笑いしているかのような、「ワッ、ハッ、ハッ…」あるいは「グワッ、コー」と聞こえる、リズミカルで大きな声で鳴きます。
どこに生息している?
メキシコ沿岸部から中央アメリカを経て、南米のペルーやブラジル、アルゼンチン北部にかけて分布します。
森林の縁や、樹木が点在するサバンナ、農耕地などを好みます。見通しの良い高い木に止まっていることが多いです。
何を食べて生きているの?狩りの方法は?
ヘビを専門に捕食するスペシャリストです。特に、毒を持つサンゴヘビなども果敢に襲います。ヘビ以外にも、トカゲやネズミを食べることもあります。
見晴らしの良い高い枝に長時間止まり、地上を移動するヘビを探します。獲物を見つけると、急降下して、まずヘビの頭の後ろを強力な足で押さえつけ、次に鋭い嘴で頭部を噛み砕いて仕留めます。
絶滅は危惧されている?
IUCNレッドリストでは LC (低懸念) に分類されています。
分布域が広く、特定の森林環境に強く依存しているわけではないため、現在のところ個体数は安定していると考えられています。多くの文化圏で、ヘビは危険な生物と見なされているため、そのヘビを専門に食べる本種は、益鳥として人々から好意的に見られることがあります。
IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。
IUCNレッドリストの分類
分類(英名) | 分類(和名) | 説明 |
---|---|---|
EX (Extinct) | 絶滅 | 最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種 |
EW (Extinct in the Wild) | 野生絶滅 | 本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種 |
CR (Critically Endangered) | 深刻な危機 | ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種 |
EN (Endangered) | 危機 | CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種 |
VU (Vulnerable) | 危急 | 野生での絶滅の危険性が増大している種 |
NT (Near Threatened) | 準絶滅危惧 | 現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種 |
LC (Least Concern) | 低懸念 | 絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種 |
DD (Data Deficient) | 情報不足 | 評価するための情報が不足している種 |
NE (Not Evaluated) | 未評価 | まだ評価が行われていない種 |