
ハヤブサ
英名:Peregrine Falcon
学名:Falco peregrinus
分類:ハヤブサ目ハヤブサ科ハヤブサ属
属名のFalcoはラテン語で「鎌」を意味し、その翼の形に由来します。種小名のperegrinusは「放浪の、外国の」を意味し、本種が渡りを行い、広範囲に分布することから名付けられました。
ハヤブサの特徴
どれくらいの大きさ?体の特徴は?
体長34-58cm、翼開長74-120cm。多くの猛禽類と同様に性的二形を示し、メスがオスよりも最大で30%ほど大きくなります。
長く尖った翼と比較的短い尾を持ち、高速飛行に適した体型をしています。成鳥は背中が青みがかった灰色で、腹部は白地に黒い横斑があります。目の周りから頬にかけて黒い「ヒゲ」状の模様があるのが特徴的です。
どこに生息している?
南極大陸を除くほぼ全世界の多様な環境に分布しています。都市部から海岸、砂漠、山岳地帯まで、非常に高い適応能力を持ちます。
主に開けた空間を好みます。これは、その狩りのスタイルに直結しています。繁殖期には、獲物を見下ろせる崖の岩棚や、近年では都市部の高層ビル、橋梁などを巣場所として利用します。
何を食べて生きているの?狩りの方法は?
主に鳥類を捕食します。ハト、ムクドリ、シギ・チドリ類、カモ類など、その地域で豊富に存在する中型の鳥が主な獲物となります。
鳥類の捕食に特化したハンターであり、その狩りは驚異的です。上空から獲物を見つけると、翼をすぼめて急降下し、獲物を追跡します。この急降下(stoop)の際の最高速度は時速320km以上に達するとされ、「世界最速の動物」として知られています。この速度で獲物の翼などに衝突し、叩き落として捕らえます。
絶滅は危惧されている?
IUCNレッドリストではLC (低懸念)に分類されています。
20世紀半ば、先進国において農薬(DDT)の影響で卵の殻が薄くなり、繁殖成功率が著しく低下。個体数が激減し、多くの地域で絶滅の危機に瀕しました。しかし、その後のDDTの使用禁止と手厚い保護活動、再導入プログラムの成功により、個体数は劇的に回復しました。この事例は「保全の成功例」として非常に有名です。
IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。
IUCNレッドリストの分類
分類(英名) | 分類(和名) | 説明 |
---|---|---|
EX (Extinct) | 絶滅 | 最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種 |
EW (Extinct in the Wild) | 野生絶滅 | 本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種 |
CR (Critically Endangered) | 深刻な危機 | ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種 |
EN (Endangered) | 危機 | CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種 |
VU (Vulnerable) | 危急 | 野生での絶滅の危険性が増大している種 |
NT (Near Threatened) | 準絶滅危惧 | 現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種 |
LC (Least Concern) | 低懸念 | 絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種 |
DD (Data Deficient) | 情報不足 | 評価するための情報が不足している種 |
NE (Not Evaluated) | 未評価 | まだ評価が行われていない種 |