
トビ
英名:Black Kite
学名:Milvus migrans
分類:タカ目タカ科トビ属
日本で最も身近な猛禽類です。種小名の migrans はラテン語で「渡りをする」を意味し、北方の個体群は渡りを行いますが、日本の個体群の多くは留鳥です。
「ピーヒョロロロ…」という、甲高く、よく通る声で鳴きます。この鳴き声は、日本の空のサウンドスケープとして非常に馴染み深いものです。
トビの特徴
どれくらいの大きさ?体の特徴は?
体長55-65cm、翼開長135-155cm。ノスリよりも翼が長く、一回り大きく見えます。
特徴:全体的に濃い褐色ですが、光の当たり方によっては白っぽく見えることもあります。尾羽の形に特徴があり、中央がわずかに凹んだM字型(バチ型)をしています。これが、四角い尾を持つノスリや、V字型のアカトビとの簡単な識別点になります。
どこに生息している?
ユーラシア大陸、アフリカ、オーストラリアなど、旧世界に非常に広く分布します。
極めて適応能力が高く、海岸、河川、湖沼、農耕地、都市部まで、あらゆる環境で見られます。特に、餌を得やすい人間の生活圏の近くに多く生息しています。
何を食べて生きているの?狩りの方法は?
極めて雑食性で、機会選択的な食性を持ちます。動物の死骸、魚、カエル、昆虫、鳥の雛など、食べられるものは何でも食べます。人間の出す生ゴミを漁ったり、観光客が持っている食べ物を上空から急降下して奪い取ったりすることもあります。
絶滅は危惧されている?
IUCNレッドリストでは LC (低懸念) に分類されています。
人間の活動にうまく適応し、そのおこぼれを食料として利用することで、世界的に繁栄している種です。その適応能力の高さから、現在のところ絶滅の心配はほとんどないとされています。
IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。
IUCNレッドリストの分類
分類(英名) | 分類(和名) | 説明 |
---|---|---|
EX (Extinct) | 絶滅 | 最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種 |
EW (Extinct in the Wild) | 野生絶滅 | 本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種 |
CR (Critically Endangered) | 深刻な危機 | ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種 |
EN (Endangered) | 危機 | CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種 |
VU (Vulnerable) | 危急 | 野生での絶滅の危険性が増大している種 |
NT (Near Threatened) | 準絶滅危惧 | 現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種 |
LC (Least Concern) | 低懸念 | 絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種 |
DD (Data Deficient) | 情報不足 | 評価するための情報が不足している種 |
NE (Not Evaluated) | 未評価 | まだ評価が行われていない種 |