シロガシラトビ

シロガシラトビ

英名:Brahminy Kite

学名:Haliastur indus

分類:タカ目タカ科シロガシラトビ属

アジアからオセアニアの沿岸部に広く生息する、非常に美しいトビの仲間です。和名の「白頭鳶」は、その名の通り、頭部が白いことに由来します。英名の “Brahminy” は、ヒンドゥー教の司祭階級「バラモン」を指し、神聖な鳥と見なされていることを示唆しているという説があります。

目次

シロガシラトビの特徴

どれくらいの大きさ?体の特徴は?

体長44-52cm、翼開長110-125cm。

成鳥は、頭部から胸にかけてが純白で、背中、翼、腹部は鮮やかな赤褐色(栗色)です。翼の先端は黒い。この白と栗色のコントラストが非常に美しく、簡単に見分けることができます。

どこに生息している?

インド亜大陸、東南アジア、オーストラリア北部にかけての、沿岸地域や内陸の湿地帯に広く分布します。

マングローブ林、河口、港、水田、大きな川や湖など、水辺の環境を好みます。特に、人間の活動が活発な港や漁村、都市部の水辺に非常によく適応しています。

何を食べて生きているの?狩りの方法は?

非常に機会選択的な食性を持ちます。主な獲物は、水面に浮いた魚の死骸や、カニ、カエルなどですが、昆虫や小型の爬虫類、時にはコウモリを捕らえることもあります。

また、人間の活動から利益を得ることに長けています。 漁船が網からこぼした魚や、市場で捨てられた魚のアラ、寺院へのお供え物、さらには都市のゴミ捨て場まで、あらゆるものを食料源として利用します。

絶滅は危惧されている?

IUCNレッドリストでは LC (低懸念) に分類されています。

人間の生活圏にうまく適応しているため、全体としては安定した個体数を維持しています。

IUCNレッドリストとは?

IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。

IUCNレッドリストの分類
分類(英名)分類(和名)説明
EX (Extinct)絶滅最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種
EW (Extinct in the Wild)野生絶滅本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種
CR (Critically Endangered)深刻な危機ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種
EN (Endangered)危機CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種
VU (Vulnerable)危急野生での絶滅の危険性が増大している種
NT (Near Threatened)準絶滅危惧現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種
LC (Least Concern)低懸念絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種
DD (Data Deficient)情報不足評価するための情報が不足している種
NE (Not Evaluated)未評価まだ評価が行われていない種

出典

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