
ハリスホーク
英名:Harris’s Hawk
学名:Parabuteo unicinctus
分類:タカ目タカ科モモアカノスリ属
日本語では「モモアカノスリ(腿赤鵟)」と呼ばれます。その名の通り、腿の部分が赤褐色であることが特徴です。
その高い知能と社会性、そして人に対する慣れやすさから、鷹狩りの世界で非常に人気が高い鳥です。初心者からベテランまで、世界中の鷹匠に愛されています。
ハリスホークの特徴
どれくらいの大きさ?体の特徴は?
体長は46-59cm、翼開長は103-120cm。
全体的に濃いチョコレートブラウンの羽毛で、肩と腿、そして翼の内側が鮮やかな赤褐色をしています。尾は長く、先端と付け根が白色で、黒い帯とのコントラストが明瞭です。黄色く長い脚も特徴的です。

どこに生息している?
アメリカ合衆国南西部から、チリ、アルゼンチン中央部にかけての南北アメリカ大陸に分布します。
半砂漠地帯、サバンナ、まばらな樹木のある低木林などを好みます。水辺の近くの比較的開けた環境にいることが多いです。
何を食べて生きているの?狩りの方法は?
哺乳類(ウサギ、ジリスなど)、鳥類、爬虫類(トカゲなど)を捕食します。
ハリスホークを最も特徴づけるのは、「社会性」と「協力での狩り」です。 多くの猛禽類が単独で行動するのに対し、ハリスホークは2~7羽程度の家族グループで生活し、協力して狩りを行います。一羽が獲物を茂みから追い出し、別の場所で待ち構えていた仲間が捕らえるといった、役割分担を伴う高度な戦術を用いることが知られています。
絶滅は危惧されている?
IUCNレッドリストでは LC (低懸念) に分類されています。
分布域は広く、個体数も比較的安定しています。ただ一部地域では電線での感電事故などが脅威となっており、死亡したり脚や羽を失う事故も起こっています。しかし、群れの仲間が感電して負傷したハリスホークを助けに来て餌を与えることもあるようで、その社会性の高さには驚かされます。
IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。
IUCNレッドリストの分類
分類(英名) | 分類(和名) | 説明 |
---|---|---|
EX (Extinct) | 絶滅 | 最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種 |
EW (Extinct in the Wild) | 野生絶滅 | 本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種 |
CR (Critically Endangered) | 深刻な危機 | ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種 |
EN (Endangered) | 危機 | CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種 |
VU (Vulnerable) | 危急 | 野生での絶滅の危険性が増大している種 |
NT (Near Threatened) | 準絶滅危惧 | 現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種 |
LC (Least Concern) | 低懸念 | 絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種 |
DD (Data Deficient) | 情報不足 | 評価するための情報が不足している種 |
NE (Not Evaluated) | 未評価 | まだ評価が行われていない種 |