アカトビ

アカトビ

英名:Red Kite

学名:Milvus milvus

分類:タカ目タカ科トビ属

日本でよく見られるトビ (Milvus migrans) と同じトビ属の仲間です。種小名の milvus はラテン語で「トビ」を意味します。その名の通り、赤みがかった美しい羽毛を持つことから「アカトビ」と名付けられています。

目次

アカトビの特徴

どれくらいの大きさ?体の特徴は?

体長60-73cm、翼開長175-195cm。トビよりもわずかに大きい傾向があります。

全体的に赤褐色の美しい羽毛で、頭部は白っぽく見えます。最大の特徴は、非常に長く、深く切れ込んだV字型の尾です。飛行中、この尾を巧みに動かして方向転換する姿が優雅です。この尾の形が、切れ込みの浅いトビとの明確な識別点となります。

どこに生息している?

主にヨーロッパから西アジア、北西アフリカにかけて分布します。

森林と農耕地、牧草地などが混在する、モザイク状の環境を好みます。木々を営巣や休息の場所として利用し、開けた土地を狩り場とします。

何を食べて生きているの?狩りの方法は?

主に動物の死骸を食べるスカベンジャー(腐肉食者)です。特に、路上で交通事故にあった動物などをよく食べます。そのほか、ミミズ、昆虫、小型の哺乳類(ネズミなど)や鳥類も捕食します。

低空をゆっくりと旋回しながら、地上を丹念に観察して餌を探します。非常に軽快で巧みな飛行能力を持ち、餌を見つけると素早く降下して足で掴み取ります。人々がパンなどを投げ与えると、空中で器用にキャッチすることもあります。

絶滅は危惧されている?

IUCNレッドリストでは NT (準絶滅危惧) に分類されています。(※以前はLCでしたが、2020年に再評価されました)

イギリスでは、人間による迫害によって19世紀末にほぼ絶滅しました。しかし、20世紀末から始まった世界で最も成功したと言われる再導入プロジェクトにより、その個体数は劇的に回復しました。この活動は、野生生物保護の象徴的な成功例として広く知られています。

一方で、世界的にはスペインなどの主要な生息地で、毒殺(家畜を狙う捕食者を駆除するための毒餌による二次被害)などにより個体数が減少しており、依然として保護が必要な種とされています。

IUCNレッドリストとは?

IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。

IUCNレッドリストの分類
分類(英名)分類(和名)説明
EX (Extinct)絶滅最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種
EW (Extinct in the Wild)野生絶滅本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種
CR (Critically Endangered)深刻な危機ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種
EN (Endangered)危機CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種
VU (Vulnerable)危急野生での絶滅の危険性が増大している種
NT (Near Threatened)準絶滅危惧現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種
LC (Least Concern)低懸念絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種
DD (Data Deficient)情報不足評価するための情報が不足している種
NE (Not Evaluated)未評価まだ評価が行われていない種

出典

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