
アナホリフクロウ
英名:Burrowing Owl
学名:Athene cunicularia
分類:フクロウ目フクロウ科コキンメフクロウ属
属名の Athene は知恵の女神アテナに、種小名の cunicularia はラテン語で「坑夫」や「穴を掘るもの」を意味します。その名の通り、地面に掘られた穴を巣として利用する、極めて特異な生態を持ちます。
アナホリフクロウの特徴
どれくらいの大きさ?体の特徴は?
体長19-28cm、翼開長50-61cm。
他のフクロウと比べて、非常に長い脚を持っています。これは地上を歩いたり走ったりするのに適応した結果です。体はずんぐりとしており、頭は丸く、羽角はありません。背中は褐色で、白い斑点があります。目は大きく、鮮やかな黄色です。
どこに生息している?
北アメリカ西部から南米大陸の広範囲に分布します。
木のない広大な草原、牧草地、砂漠、農耕地などの開けた環境を好みます。プレーリードッグやジリス、リクガメなどが掘った巣穴をそのまま、あるいは少し手直しして利用するため、これらの穴掘り動物の生息地と密接に関連しています。
何を食べて生きているの?狩りの方法は?
主にバッタや甲虫などの大型昆虫を食べますが、ネズミなどの小型哺乳類、小型の鳥類、爬虫類や両生類も捕食します。
多くのフクロウと異なり、昼間にも活動します(昼行性)。 巣穴の入り口や近くの杭の上にとまって、周囲を監視している姿がよく見られます。獲物を見つけると、走って追いかけたり、短い距離を飛んで捕らえたりします。
絶滅は危惧されている?
IUCNレッドリストでは LC (低懸念) に分類されています。
全体としては安定していますが、多くの地域で個体数が減少しています。主な原因は、生息地である草原の農地への転換や、巣穴を提供してくれるプレーリードッグなどの動物が害獣として駆除されていることです。また、殺虫剤の影響や、自動車との衝突も深刻な脅威となっています。
IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。
IUCNレッドリストの分類
分類(英名) | 分類(和名) | 説明 |
---|---|---|
EX (Extinct) | 絶滅 | 最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種 |
EW (Extinct in the Wild) | 野生絶滅 | 本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種 |
CR (Critically Endangered) | 深刻な危機 | ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種 |
EN (Endangered) | 危機 | CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種 |
VU (Vulnerable) | 危急 | 野生での絶滅の危険性が増大している種 |
NT (Near Threatened) | 準絶滅危惧 | 現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種 |
LC (Least Concern) | 低懸念 | 絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種 |
DD (Data Deficient) | 情報不足 | 評価するための情報が不足している種 |
NE (Not Evaluated) | 未評価 | まだ評価が行われていない種 |