ベンガルワシミミズク

ベンガルワシミミズク

英名:Indian Eagle-Owl

学名:Bubo bengalensis

分類:フクロウ目フクロウ科ワシミミズク属

かつてはユーラシア大陸に広く分布するワシミミズク (Bubo bubo) の亜種とされていましたが、鳴き声や遺伝的な違いから、現在は独立した種として扱われています。種小名の bengalensis は、インドのベンガル地方に由来します。
インドの一部地域では、不吉の象徴と見なされる迷信がある一方で、その力強さから神聖視されることもあります。

目次

ベンガルワシミミズクの特徴

どれくらいの大きさ?体の特徴は?

体長50-65cm、翼開長120-150cm。

全体的に褐色で、黒や淡黄色の複雑な斑紋があります。腹部はより淡い色合いです。ワシミミズク属の特徴である、目立つ羽角(うかく)を持っています。目は大きく、鮮やかなオレンジ色または赤色をしています。この力強い眼差しが、本種を印象的なものにしています。

どこに生息している?

インド亜大陸(インド、パキスタン、ネパール、ミャンマー西部など)に固有の種です。

岩の多い丘陵地帯、低木林、半砂漠地帯、そして農耕地の近くなど、比較的開けた環境を好みます。昼間は岩の割れ目や、茂みの陰、大きな木の枝などで休息します。

何を食べて生きているの?狩りの方法は?

食性は非常に幅広く、その地域で最も捕まえやすい獲物を狙います。主な獲物はネズミやクマネズミなどの齧歯類ですが、鳥類、爬虫類(ヘビ、トカゲ)、カエル、大型の昆虫、さらには自分より体の大きいノウサギやクジャクの若鳥を襲うことも記録されています。

絶滅は危惧されている?

IUCNレッドリストでは LC (低懸念) に分類されています。

分布域が広く、様々な環境への適応能力が高いため、現在のところ絶滅のリスクは低いとされています。しかし、農地の拡大による生息地の変化や、農薬による二次的な影響は潜在的な脅威となる可能性があります。また、薬用や黒魔術の目的で違法に捕獲されることがあり、地域的な個体数への影響が懸念されています。

IUCNレッドリストとは?

IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。

IUCNレッドリストの分類
分類(英名)分類(和名)説明
EX (Extinct)絶滅最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種
EW (Extinct in the Wild)野生絶滅本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種
CR (Critically Endangered)深刻な危機ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種
EN (Endangered)危機CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種
VU (Vulnerable)危急野生での絶滅の危険性が増大している種
NT (Near Threatened)準絶滅危惧現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種
LC (Least Concern)低懸念絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種
DD (Data Deficient)情報不足評価するための情報が不足している種
NE (Not Evaluated)未評価まだ評価が行われていない種

出典

目次