
インドコキンメフクロウ
英名:Spotted Owlet
学名:Athene brama
分類:フクロウ目フクロウ科コキンメフクロウ属
ヨーロッパのコキンメフクロウ (Athene noctua) の近縁種で、南アジアの人間社会に非常によく適応した小型のフクロウです。他の多くのフクロウと異なり、非常に社会性が強いのが特徴で、昼間は家族グループで木の洞などに集まって休息し、夕暮れ時には電線などに並んでとまり、おしゃべりするように、けたたましく鳴き交わす姿がよく見られます。
目次
インドコキンメフクロウの特徴
どれくらいの大きさ?体の特徴は?
体長約21cmほどの小型フクロウです。
ずんぐりとした体型で、頭は丸く、平たい印象を与えます。全体的に灰褐色で、頭部から背中にかけて、名前の由来となった白い斑点(Spot)が多数あります。目は大きく、鮮やかな黄色です。
どこに生息している?
イラン東部からインド亜大陸を経て、東南アジアの一部にかけて広く分布します。
開けた農耕地、村落、都市の公園や庭園など、人間の居住区の近くを好みます。木の洞、古い建物や遺跡の隙間、崖の割れ目などを、営巣や休息の場所として利用します。
何を食べて生きているの?狩りの方法は?
主に昆虫(バッタ、甲虫など)やミミズを食べますが、ネズミ、トカゲ、カエルなども捕食します。
薄明薄暮性で、夕暮れ時から夜明けにかけて活発に活動しますが、日中に姿を見せることもあります。
絶滅は危惧されている?
IUCNレッドリストでは LC (低懸念) に分類されています。
人間の生活環境にうまく適応し、農地や都市に生息する昆虫やネズミを捕食することで、繁栄している種です。
IUCNレッドリストとは?
IUCNレッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)が作成している、世界で最も包括的な絶滅のおそれのある野生生物のリストです。正式名称は「The IUCN Red List of Threatened Species™」といいます。
IUCNレッドリストの分類
分類(英名) | 分類(和名) | 説明 |
---|---|---|
EX (Extinct) | 絶滅 | 最後の1個体が死亡したことが疑う余地のない種 |
EW (Extinct in the Wild) | 野生絶滅 | 本来の生息地では絶滅し、飼育下・栽培下でのみ生存している種 |
CR (Critically Endangered) | 深刻な危機 | ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い種 |
EN (Endangered) | 危機 | CRほどではないが、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い種 |
VU (Vulnerable) | 危急 | 野生での絶滅の危険性が増大している種 |
NT (Near Threatened) | 準絶滅危惧 | 現時点では絶滅危惧ではないが、将来的に移行する可能性がある種 |
LC (Least Concern) | 低懸念 | 絶滅リスクが低く、保全上の懸念が少ない種 |
DD (Data Deficient) | 情報不足 | 評価するための情報が不足している種 |
NE (Not Evaluated) | 未評価 | まだ評価が行われていない種 |